ジャズギターレッスン記:No.3

“Mac”

※過去のブログ「bogey#1's life full of music」からの転載、2011年1月の記事です。

布川俊樹さんのジャズギターレッスン3回目。前回まで過去分を思い出して書いてましたが、ここからほぼリアルタイムです。

2回目のレッスンで「模範演奏どおりに弾く」というところまでハードルを下げていただき、どうにか課題をクリア。今回は前回と同じ「逆循環の4コードをサブドミナントとトニックの各2小節ととらえて弾く」というテーマで、使う音がノンコードトーンまで拡大。

それと、前回からソロの模範演奏とは別に1小節単位の短いフレーズがたくさん入った動画+譜面をいただいていて、今回師匠のアドバイスは「先にフレーズ集をやってからソロのコピーに行きましょう」。

アドバイスに従いフレーズ集を覚えにかかったんですが、やってみると意外に難しい。多分今までソロを全体のストーリーで覚えていたので細切れのフレーズだとかえって覚えられない。時間がなくなってきたのでソロの練習に移りました。

やってみると確かに違う。先に覚えたフレーズやその変形がでてくるので「あぁ、これか」っていう気付きがある。なるほど、と、もう一度フレーズ集に戻ったりしながらソロをコピーする。今回はノンコードトーン、クロマチックな音階が入ってきて音を採るのは難しいけどできない範囲じゃない。問題は前回同様「弾けない」ことの方が大きい。ひたすら繰り返し弾くしかない。

完璧ではないけど、前回頑張ってテンポアップした120の Swing と Bossaで弾いて録音。あわせて師匠からいただいていたバッキング(テンポ160)にも挑戦し、3つの音源を提出。今回もコピー止まりでアドリブには行けず。以下、感じた事を2テーマ書いておきます。

語学と楽器演奏の類似性

僕は外国語大学(中国語)出身という経験上、語学と楽器演奏の習得は似ていると常々思ってましたが、改めて確信してます。

入学当初「暗唱」を徹底してやらされました。家で覚えて授業で音読するのです。ほとんどそれだけで授業が終わる。高校の英語と受験勉強で頭でっかちになってた僕は何でいい大人が小学生みたいなことやらなきゃいけないんだと抵抗を感じてましたが、ちゃんと喋れるようになって振り返るとこの暗唱がいちばん有効な学習だったというのが実感です。

フレーズ集=単語(またはイディオム)集、模範演奏のコピー=暗唱と置き換えると、新出単語をチェックして暗唱、音読というプロセスと全く同じ。そう考えると「最初はコピーでいい」というのも納得。フレーズをたくさん覚えれば、コピーもスムーズになるし、置き換えや組合わせでアドリブもできるようになる、って寸法ですね。いうほど簡単に行かないのがツラいところですが(笑)、地道に続ければできるようになると信じよう。

語学と違うのは「フレーズ」が「単語」ほど明快な形で現れないので、フレーズが持つ意味を意識的に分析するなりしないと身に付かない、ということですかね。

速く弾くということ

僕はギターを始めた時から「速く弾く」ことに全く関心がなく「音数よりも一音でどれだけガツンと来るか」に価値を見いだしてました。当時の「誰々は速い」みたいなスピードを競う風潮に対する反発もあったと思います。その価値観は今も変わってないし、それはそれなんですが、音楽表現の基礎体力として速く弾く練習は必要ですね。

1ステージ飽きさせない演奏をするためにテンポで緩急を付けるのは重要なファクターで、ミディアムテンポの8分音符すらちゃんと弾けないのは論外だと思いました。もう一つは「余裕をつくる」意味で。ジャズでよく言うハネ方やアーティキュレーション、それから師匠の模範演奏には音符に表れない装飾が随所にちりばめられている。こういう表現をちゃんとやるためには、ついていくのが精一杯の状態では無理。速めのテンポに挑戦してから遅いテンポに戻ると余裕が生まれる。

というわけで、次につづく