左利きとギターの出会い:Fender Telecaster Thinline ('72 style) on Guitar Magazine

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他のギターを見ていただいてお分かりいただける通り、僕はホロウボディ&Fホールのギターが大好きです。テレキャスターシンラインも Curtis Mayfield の影響でずっと気になってたんですが、1960年代の後半から70年代初期のごくわずかな期間しか生産されなかったモデルで、ヴィンテージは絶対数が少ない。まして左用なんて通常生産されているはずもなく、オーダー生産された物が見つかる可能性は限りなくゼロ。再生産ものもUSAで'90th Thinlineというモデルが一時出たぐらいで、Japanでも長らく「現行モデル」が存在しない時期が続いたと思います。それだけマイナーって事でしょうか?

ところが一時からJapan, Mexicoとリイシューものが相次いで発売されたり、ギターマガジンで特集が組まれたりして、どういう訳だか露出度が高くなってきました。流行ですかねぇ。そうなると、ますます気になる。欲しい。でも探してもない。

で、フェンダージャパンにE-mailしました。「左用の生産予定ありませんか?」。回答は「残念ながら予定ありません、一本単位でのオーダーも受付けておりません。」って、まぁ予想どおり。そりゃそうですね、数売れないものを大手のメーカーさんがつくるわきゃない。あとは大枚はたいてオーダーメイドかぁ・・・とあきらめモード。

そんな時、出かけたついでに買ったギターマガジンを電車でパラパラとめくってたら、ん?サブリミナル効果のように何か気になる写真が!あれ!?今のは何?・・・・っとページをめくる事数分、、、。見つけました!左用のシンライン!おぉぉぉマジか?目を疑いましたが、間違いありません、某楽器店の広告にしっかり載っています。Japanのシンライン左用。

これはもう、買うしかない!ってところですが、問題は、お店が東京、大阪に進出してるようなチェーン店でもない。やっぱり楽器だから試奏はしたい。・・・その後の経緯はちょっと楽器屋さんに迷惑かかってしまう可能性があるので、紹介は控えます。スミマセン。

いずれにせよなんとか試奏することができ、めでたく購入。カタログにない左用が何故あったかというと、楽器店からのオーダーで数十本ロット生産された物のようです。ありがたい!よくぞやってくれました!ほんとはCurtisと同じシングルコイルの初期型が欲しかったんですが、待っても出てくる可能性は非常に薄いですしね。

初期型は斜めに流れるピックガードのデザインが秀逸ですが、この後期型はギプソンより一回り大きいハムバッカーを載せるためピックガードの形状が変更されており、残念ながらそれがオリジナルのデザイン性をスポイルしています。 が、そのイカツイはムバッカーのおかげか?音はフェンダーらしいシャープな要素を残しながらも太く甘い音。これはこれでなかなかいいです。

そして何よりシンラインの魅力は「軽い」こと。テレキャス(というかフェンダーのギター全般)自体の設計の良さもあり、軽いボディのギターにありがちなバランスの悪さもなく、プレイアビリティは抜群。

余談ですが、このギターもちろんフェンダーですが、ホロウボディーの設計は確かリッケンバッカーで330なんかを設計した人、PUはギブソンでPAFを設計したセス・ラバー、ということで、フェンダー、リッケン、ギブソンの混血児のようなギターです。