思えば Sting のアルバム "Nothing Like The Sun" からのシングル 'Fragile' あたりからガットギターが気になり始め、ボサノバにはまってからは更に欲しくてしょうがなかったのですが、例によって「左利きの壁」で、なかなか入手できず。
ようやく入手したこの楽器は、小平(Kodaira)というメーカーのAST-60というモデルです。クラッシックのギター教室や学校のギターサークルで初心者に一本目のギターとして薦める定番だそうです。 初心者向けと言っても「信州諏訪湖のほとりにある工房で十分に乾燥された良質な材料を、熟練の職人の手で一本ずつ丁寧に製作される」とうだけあって、とてもしっかりした作りです。(といってもガットギターはこれしか所有したことがなく、比較のしようがありませんが。)
こいつとの「出会い」は、2007年、ネットオークションです。 僕はわりと昔気質の人間で、買い物をするときは現物を見ないと気が済まない、こと楽器に関してはちゃんと試奏をして「自分にしっくりくるかどうか?」を確認してからでないと買わない主義で、まさかオークションに手を出すとは思ってもみませんでした。
しかし、ただでさえ「出会い」の少ない左利きギタリストにとってオークションは貴重な情報源の一つで、ついつい検索するのが習慣になっていくうちに、「これは」と思うものに出くわしてしまう事があるのですね。それでもいろいろリスクを考えて泣く泣くやりすごしてしまうのが常なのですが、この時は、状態がかなり良いであろう事が推測できた事、メーカー・モデルの一般の評判も良さそうだった事、以前友人がKodairaのギターでボサノバを弾くのを耳にしてとても良い音だったのを覚えていた事、比較的小額であったこと、などなど、好条件が重なり、決心しました。
購入当時、1年落ちの若い楽器にも関わらず、新品特有の固い感じと言うか、ギクシャクしたところがなく、数年弾き込まれた楽器のように、ボディ、ネックの鳴りがしっくりなじんでいる感じでした。ボサノバの親指で弾く低音弦の音がとてもふくよかでいい感じです。
その後、L. R. BaggsのiBEAM(アイビーム)というピックアップを取りつけ、The Double Bogey で、会いそうな曲をいくつかアレンジして使っていました。残念ながら、一回のライブ全曲をこのギターでこなす腕がなく、街フェスなど、セッティングに十分時間が取れないライブではギター2本を使い分けるのは難しいため、使わなくなってしまいましたが、フィンガーピッキングはちゃんとできるようになりたいと思っているので、また地道に練習しようと思い直してます。