長らくメインギターとして活躍した Gibson ES-335。フルアコをメインで使うようになって出番は減ってしまいましたが、今でもいちばん愛着のあるギターです。ありふれたリイシューモデルですが、新品で買ってもう十数年のつきあい。ギターを始めるきっかけになったアイドル The Doobie Brothers の Pat Simmons への憧れから、いつかは335と思ってましたが、1993年、旅行で行ったシンガポールで出会いました。
当時インターネットのような便利なものもなく、情報がありません。学生時代に行った香港でUSA製の楽器が安かった記憶から、同じフリーポートであるシンガポールもいっしょ?といういい加減な憶測で、とりあえず旅行ついでに探してみようと。
探すと言っても手がかりはなく、単に大通りをぶらぶら歩いてその辺の店のお兄さんに「この辺に楽器屋さんありませんか?」って訊いてみる。「あ〜プラザシンガプーラの中に何かあったな、、、」。
で、そのプラザシンガプーラへ。結構大きなビルの何階かにありました。そこそこ大きな楽器屋さん。確か管楽器やピアノなんかもおいてる店で、ギターの本数はそんなに多くなかったですが、その中にコイツがいたんですね。憧れのチェリーレッドの335。 いつもの事ですがお店に長々と居座って相当悩みましたね。試奏って言っても、このギターもともと普通の右用なんで、弾くに弾けないんですが(苦笑)。でもネック、フレットの感じは「これだ」と思える物があり思い切ってその場で買ってしまいました。
てなわけで、極めていい加減な出会いではありますが、結果的にコイツが私にとってかけがえのないメインギターになりました。 長らくナット交換とブリッジの駒の入替えのみで左用として使っていました。コントロール類が肘に当たって邪魔なんで移設したかったんですが、トップに穴を開けるのは抵抗があり決心がつきませんでした。
その後、Telecaster Thinlineを使いだして、1 vol, 1 toneのシンプルな操作系が自分スタイルに合っていることがわかり、かつ10年以上弾き続けて、もう手放す気はないと思えたので、ようやく決心して改造に出しました。トップだけでなく、センターブロックにもピックアップキャビティから左側へ貫通穴を開けて配線を通すという意外に大変な改造でしたが、結果は大正解。音への影響はわからないくらいですし、何より操作系がシンプルになり、あるべき位置にあるので、弾きながら歌うことに集中できるようになりました。
「やっと自分の楽器になった」気がしました。
欠点は強いて言えばひ弱な私にはちょっと重い(レスポールほどではないですが)こと、弦間のピッチが狭めなためフィンガーピッキングには向かないことぐらいでしょうか?