Who are The Double Bogey


第3回 Fender Jazz Bass `73

03年のある日、よく行くショップにふらりと立ち寄った際になんと一目惚れしてしまいました。
ブロンズボディとローズ指板のコンビネーションが周囲のオールド楽器の中で、ひときわ強烈なオーラを発していたのです。

ブロンズのジャズベースは他のショップでも見ることが少なく、ベーシックなサンバーストカラーとはまた違ったモダンな魅力をもち、あのアースウインド&ファイアーのベーシスト、バーダイン・ホワイトのかつてのトレードマークであったこともよく知られています。

早速いつものように試奏してみました。
普通の70年代ジャズベに比べると、とてもあたたかな音色です。
出音は大きくパワフル。

ピックアップはオリジナル仕様ではなくダンカン社製のものに交換されています。
パワーはこのピックアップによるものかも知れません。
弦は表面が凸凹した一般的なラウンドタイプではなく表面の凹凸をなくしたフラットタイプが張られています。
あたたかなトーンはこのフラット弦によるところが大きいのですが、ただまろやかなだけではなく、しっかりとしたコシも十分あります。
それにしてもなぜフラット弦が?

試奏しながら店長さんにお話をうかがいました。
社長さんのお知り合いの委託品とのことで、フラット弦はその方の好みだそうです。

話をしていると他の店員さんがわらわらと寄ってきました。このベースが気になる様子です。
社長さんがからんでいるだけあって、価格タグの手書きコメントなど、確かにほかの商品に比べて力が入っている様子。

価格もピックアップ交換などオリジナル仕様ではないにもかかわらず、相場よりもかなり高めで強気?の設定です。
今思えば前オーナーの方についてもいろいろ聞いておけばよかった…もしかして有名ミュージシャン?!

この楽器の素性をもっと知りたい…
その場でフラット弦をラウンド弦に替えてもらい、店頭にある様々なアンプに差し込み、自分にあった楽器なのか、今必要なのか…弾きながら考えていました。

以後そんなことを何度か繰り返し、そのたびに思いは募り、めでたく購入。
出会いからはや1ヶ月ほど経ったころでした。

パワーはあるし、決して軽量ではないもののしっかりしたつくりでタフさも十分ということで、ライヴに練習にとホントにあっちこっち引っ張り回されながらも大活躍してくれました。

ああそれなのに、何の気の迷いか、ある日オークションに出品し、あっさり手放してしまったのです。
幸い良い人に購入いただき良かったのですが、いまだにほんのちょっぴり未練が…。