Who are The Double Bogey


第5回 Fender Jazz Bass `62

いよいよ真打ち登場!といいますか、いわゆる史上最大の暴挙の結果がコレ。
74年ジャズベース購入のあと、あくなき探究心のあまり?65年ジャズベースをも購入してしまいました。

60年代でしかもプリCBSといわれる時期に製作されたヴィンテージ楽器はやっぱり違うな…と思うはずが別の意味で「なんか違う」というさらにヤバい状態に陥ってしまったのであります。

調べれば調べるほどいろいろと蘊蓄があるもので、62年後期以降のローズ指板ネックは「ラウンドボード」、それ以前は「スラブボード」といわれるものが装着されているということを知りました。

両者の違いは、指板とネック本体の接合面の形状にあるのですが、とにかくこのスラブボード、とにかくデカくて太い音がするらしい…

それからというもの常に頭の中は「スラブボード」でいっぱいです。

そんな頃、あるショップの雑誌広告に62年ジャズベースが出ているではありませんか!
価格は明記されず、お約束の「ASK」の文字。

「値段を聞くくらいならかまわないだろう」というわけで、すぐに電話をしてみたら、予想以上のいいお値段。
かなり突き放された気分でしたが、気をとりなおして「ちょっと触ってみるくらいならかまわないだろう」ということで後日そのショップへ。

なんの連絡もせずに行ってみたらなんとメンテナンス中ということで触るどころか、見ることさえできずがっかり。

気を取り直し、ショップからメンテ終了の連絡をうけ、相当の気合いを入れてショップに出向きました。

さあ、いよいよあこがれのスラブボードとご対面です。
ケースは見慣れたブラック仕様ではありません。
「これが本物のブラウントーレックスですよ。これだけでもウン万円しますよ」というショップの店員さんがケースのふたをひらいて取り出し、手渡された第一印象は「え?!軽い…」。

チューニングを整えて、いよいよ音出しです。
「…確かに…」
太い、と一言では言い表せないほどの一音の説得力。
たった一つの音、しかもベースといういわゆる低音楽器とは思えないほど高音域から低音域までが凝縮されたスーパーワイドレンジな音。

「繊細な音」「コシのある音」「芯のある音」「パンチのある音」…
優れた楽器を形容する言葉が次々に飛び出してきます。

ベースという楽器にまつわるあらゆる要素がここに集まっている!

一度触れてしまうともうあとに引けなくなるのはわかっていたはず…
とはいいつつ高額なヴィンテージ楽器をおいそれと買えるワケがない。
何日も考え抜き、試奏を重ねたある日、大きな決断をするに至りました。

65年、74年ジャズベース2本をまとめて下取りに出そう…

夢が現実となって舞い降りる瞬間でした。
ラッキーなことに65年ジャズべは購入した価格そのままで引き取ってもらえました。
しかし下取り分だけで足りるはずはないのです…

長いローン生活が一緒に舞い降りてきた瞬間なのでした。

注:ローンは無事完済しました。念のため。